会社員の給料は「給与所得」 10種類の所得(→27ページ)のうち、会社員が受け取る給料や賞与は給与所得に該当します。 給与所得とは、勤務先との雇用契約にもとづいて支払われる労働の対価です。一般的に給料というと金銭で受け取るものをイメージしますが、勤務先から食事の支給を受けたり、安い家賃で社宅を借りたりというように、従業員としての地位にもとづいて物や権利などの経済的な利益を受けることがあります。こういった経済的利益も給与所得として扱われ、税金がかかります。 通常の給料や賞与のほかに、下記の表の①〜④のような手当や現物支給を受けたときには、その金額も含めて源泉徴収が行われます。給与所得として税金がかかるもの 会社員が、勤務先から次のような金銭や物を受け取ったり、経済的利益を受けたりしたときには、給与所得として税金がかかります。税金がかかる部分①宿日直手当1回4,000円を超える場合⇒ 4,000円を超える部分(代休が与えられる場合は全額)②食事の支給自己負担額が50%未満か、会社負担額が月額3,500円を超える場合⇒ 会社負担額③社宅家賃自己負担額が賃貸料相当額(*)の50%未満の場合⇒ 賃貸料相当額(*)×50%−自己負担額④借入金利息会社からの借入金に対する利率が通常の利率未満の場合⇒ 通常の利率(1.0%または会社の調達金利)で計算した利息との差額(*)賃貸料相当額とは、一定の算式で求められますが、おおむね、その建物と敷地の固定資産税評価額(→145ページ)の0.2%程度です。課税課税課税課税給与所得とならない=税金がかからないもの 上の場合とは逆に、勤務先から次のような金銭の支給や経済的利益を受けても、実費弁済的なものとして税金はかかりません。税金がかからない部分①宿日直手当1回4,000円以下の部分(代休が与えられる場合は課税)②食事の支給・残業、宿日直の際に支給されるもの・自己負担額が50%以上で、会社負担額が月額3,500円以下の場合③通勤手当月額15万円までの金額(電車・バス通勤の場合)④旅費、宿泊費、日当職務上必要な範囲 車通勤の人への通勤手当の非課税限度額(月額)は、片道2キロ以上4200円から片道55キロ以上3万1600円まで通勤距離に応じて定められています。税金がかからない 記念品など 永年勤続記念品や創業記念品、慰安旅行についても税金がかからない範囲や要件があります。税金がかからない範囲や要件永年勤続記念品①勤続期間や地位に照らして、相応の金額のものであること②勤続年数がおおむね10年以上の人を対象にしていること など創業記念品①一般的にみて記念品としてふさわしく、換金可能額が1万円以下(税抜き)であること②おおむね5年以上の期間ごとに支給されること慰安旅行①4泊5日以内②50%以上の人が参加すること③会社負担が高額にならないこと 右記の要件を満たしていても、支給されるものが換金可能な商品券や現金、有価証券である場合には、税金がかかります。それぞれの立場から学ぶ税金講座第3章61
元のページ ../index.html#15