正しく詳細な制度理解に役立ちます。 税理士 鈴木涼介先生

PROFILE

特定個人情報保護委員会事務局総務課上席政策調査員
税理士
日本税法学会会員

平成16年 税理法人右山事務所 入所
平成18年 税理士登録
平成20年 税理士法人右山事務所 役員(社員税理士)就任
平成22年 日税研究賞受賞
(日本税理士会連合会・公益財団法人日本税務研究センター共催)
平成26年 鈴木涼介税理士事務所 開設
同年 特定個人情報保護委員会事務局総務課上席政策調査員

まず、『中小企業とマイナンバーQ&A』に
込められた思いをお聞かせください。

この本はタイトルの通り、“中小企業”向けであることがポイントです。中小企業はマイナンバー制度に向けて体制を整えるために、多くの人員をあてる余裕がないのが現状です。
そのようななかで、中小企業の方がこの本を読んで「マイナンバー制度がわかった!」と思ってもらえるようにとの願いを込めて、執筆しました。

ご執筆の際はどのような点を意識されましたか?

できる限り難しい表現をさけることで、中小企業の方々にご理解いただけるよう意識して執筆しました。ただ、制度自体が難しいので、平易な解説を行うには限界があると感じる部分もありました。それでも最大限にわかりやすさを追求したつもりです。

鈴木涼介先生

中小企業の多くはマイナンバー制度導入のための
準備ができていないと言われていますが、
来年1月からの運用開始が目前に迫るなど時間的な制約があるなかで、中小企業はどのような姿勢で準備をするべきですか?

制度開始までにあまり時間がないため、ある程度早急に準備を進めることは求められます。
ただ中小企業の場合は、規模にもよりますが、たいていは従業員や支払調書の対象となる取引先はさほど多くはないと思うので、順序立てて準備を進めていけば制度開始までに問題なく体制が整うと思います。

ですから、焦って準備をして欠陥だらけの体制になるよりは、まずは制度をしっかりと理解してから順次準備を進めていただき、ひとつずつ確実に体制を整えていただきたいと思います。

鈴木涼介先生

『中小企業とマイナンバーQ&A』
ご執筆時を振り返ってのこぼれ話をお聞かせください。

これまで書籍の執筆は何度か経験していますが、単著による執筆は初めてでした。『中小企業とマイナンバーQ&A』の執筆時は、特定個人情報保護委員会*1のガイドライン*2の起案等で忙しい時期に執筆が始まり、夜中に帰宅してから執筆作業という状況でした。編集担当者からは早く執筆してほしいとのプレッシャーもかかり、つらいなと感じたこともありました。ただ、そういったなかでも特定個人情報保護委員会事務局の同僚などからも多くのアドバイスやヒントを頂いたので、スムーズにまとめることができました。

*1 マイナンバーその他の特定個人情報の有用性に配慮しつつ、その適正な取扱いを確保するために必要な措置を講ずることを任務とする内閣府外局の第三者機関。

*2 「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」。本編は法律の条文に沿った保護措置の解説を示しており、安全管理措置の詳細については別添として示している。

鈴木涼介先生

ご多忙のなかでご執筆された、
『中小企業とマイナンバーQ&A』の
アピールポイントを教えてください。

『中小企業とマイナンバーQ&A』では、特定個人情報保護委員会のガイドラインについてかなり詳しく解説しているので、きちんとマイナンバー制度を理解したいという方におすすめです。また、制度自体はある程度理解しているという方でも、辞書のような感覚で手元に置き、実務に役立てていただけたらと思います。

ところで、鈴木さんは特定個人情報保護委員会事務局の
一員でいらっしゃるということから、
本書は同事務局による見解を取りまとめたものとも
位置付けられますね。

本書は、あくまでも個人的見解に基づき執筆しているものなので、委員会事務局による公式見解ではありません。

ただ、番号の取扱い方など法律で決まっている部分については、私がガイドライン案の策定から関わったからこそ言及できる部分もあるので、信頼性の高い解説を盛り込んでいると言えるでしょう。

また、本書にはマイナンバーの安全管理措置も含まれていますが、これは事業者が「情報漏えいを起こさない」という体制を作ることなので、個々の事業者の規模や事務の特性等に応じて講ずる必要があり、正解はないともいえる部分です。そのため、この部分に関しては制度をしっかりと理解していただいて、事業者自身がきちんと対策を立てる必要があります。

中小企業を指導する立場にあるのが税理士の方々です。
鈴木先生は税理士でもいらっしゃいますが、
税理士はどのような意識を持つべきでしょうか。

税理士は日常的な業務で顧客の所得情報を扱うため、もともと情報の管理に対する高い意識が求められています。マイナンバーに関しても情報を安全に管理するという点では同じですので、そういった意味では従来通りの意識を持っていただければ良いと言えます。ただ、番号法特有の制限などもあるので、もちろん一般の事業者よりは一歩進んだところまで理解して、ご自分の事務所の対策や顧客への指導をしていただくこととなります。

税理士向けの書籍『税理士のマイナンバー実務』に
込められた思いをお聞かせください。

税の専門家である税理士に向けて、この本ではマイナンバー制度のなかでも深い論点にふれています。税理士の方には、単にマイナンバー制度を理解してもらうというよりは、やはり一歩進んだところを理解していただきたいという思いを込めました。正しく詳細にマイナンバー制度を理解していただくために多少難しい法律の捉え方なども織り込んでいますので、ぜひとも本書をご一読いただきたいですね。

こちらはご執筆の際、どのような点を意識されましたか?

いくら税理士が税の専門家であるとはいえ、マイナンバー制度は全く新しい制度なので、いきなり深い論点から説明に入ると理解しづらくなってしまいます。そのため、本書ではセクション毎にキーポイントを明示してから説明に入るというスタイルを採用し、読者の皆さんの読みやすさを最大限に意識しました。

では、『税理士のマイナンバー実務』
ご執筆時を振り返ってのこぼれ話をお聞かせください。

制度の基礎的な部分を扱った『中小企業とマイナンバーQ&A』に対し、こちらは税理士向けということで、より複雑な部分を扱っているため、理解が得られる解説とするために苦労しました。制度がスタートする前であり、まだ誰もわからない、あるいは想定していないような部分についても言及しなければならなかったので、そのあたりは非常に悩みましたね。

最後に、『税理士のマイナンバー実務』の
アピールポイントを教えてください。

『税理士のマイナンバー実務』には、税理士の方が正しく制度を理解するために欠かせない情報がもりこまれているので、一歩踏み込んだ論点まで理解するためにお役立ていただきたいです。

また、この本の副題は「日税連税理士ガイドブック対応版」となっていますが、この“ガイドブック”は、特定個人情報保護委員会のガイドラインを税理士業務用にカスタマイズしたものです。ですから、この本はいわばガイドブックとガイドラインの橋渡しとも言える、類書のない一冊だと自負しています。

中小企業とマイナンバーQ&A これだけは知っておきたい 実務対応

中小企業とマイナンバーQ&A
これだけは知っておきたい 実務対応

判 型
A5判384頁
ISBN
978-4-433-54204-7
定 価
3,024円

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キーポイントで理解する! 税理士のマイナンバー実務 日税連 税理士ガイドブック対応版

キーポイントで理解する!
税理士のマイナンバー実務
日税連 税理士ガイドブック対応版

判 型
A5判262頁
ISBN
978-4-433-53625-1
定 価
2,592円

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