クマオーの基礎からわかる消費税 税理士 熊王征秀先生

熊王征秀先生

本書は、かつて刊行された『消費税と経理処理のしくみがわかる本』(日本実業出版社)をベースとした、いわば大改訂版という位置づけです。
まず、改訂に込められた思いを教えてください。

以前に、日本実業出版社から発刊した際の大きな特徴は、ブロック別に、1項目を1頁で見られるように作っていたことです。特に初学者の方にしてみると、完結ページで見られるので非常に読みやすかったはずです。
ただし、中身が凝縮されていて、非常に圧迫感があるという読みにくさや、もうちょっと書きたいところがあったけれども、どうしてもページ数の関係から書けなくなってしまったところがありました。
だから、そんなものも含めて、もう少し内容を精査し、分量自体は絞り込んだうえで、中身については本当に大事なところだけなるべく万遍なく埋めていきたいと考えました。
その辺を特に意識しながら、今回の新刊を執筆いたしました。

コラム に登場する” 良いクマ・悪いクマ”

本書は、消費税の入門書といえます。数ある類書の中で、本書ならではの特長はありますでしょうか。

先程の話と少し被りますけれども、まず、基本的に1項目が1ページになっています。
しかも、図表や計算例が出るときには決してページがまたがらないよう、2ページに渡るときでも必ず見開きで見られるように工夫してあります。
また、そのブロックで実務上にとくに注意しなければいけない項目を、“良いクマ、悪いクマ”という、クマさんのイラスト付きのコラムで埋め、基本的に余白が生じないように工夫しています。
コラム形式にしたことで、読む方にしてみても、圧迫感がないだろうし、わりと読みやすいのではないかなと自負しております。

本書をご執筆時の際に、意識されたところはどのような点ですか?

やはり、初学者を意識して書きました。
特に、税の本となると、法律や通達などの文言がちりばめられていて取っ付きにくいという印象のものが多いですが、本書はそれを避けて平易な文章を心掛けました。そして、なるべく図解を多用し、イラストも可能な限り入れて、かつ余白がないようにということを意識して書きました。
結果的に良いものが仕上がったので、良かったと思っています。

熊王征秀先生

消費税は税金の中でも理解しにくいと言われています。こうした中で本書の活用方法を教えてください。まず、現在、実務に携わっている方(税理士・税理士事務所職員・会社の経理担当者)は、どのように本書を活用できますか。

実務に就かれている方は、基本を分かってらっしゃるでしょうから、実務の基礎的な取扱いを確認するなどの場面で、索引から引いていただいてもいいし、目次から引いていただいてもいいし、必要なところ、該当するところだけを辞書代わりに見て頂くように活用していただきたいと思います。

熊王征秀先生

続いて、これから税理士を目指す方や消費税の学習を進める方に向けた、本書使用のアドバイス、消費税の学習の仕方を教えて頂けますか。

基本的には最初の第1章から通読していただきたいですね。
先程からの繰り返しになりますけれども、1から10まで分かるように、“いろは” の“い” から解説していますので、体系的に消費税を理解していただきたい。
最初から順番に読んでいただければ全部読み終わる頃には全体がわかる、そういうつもりで意識して章立てもしてありますので、1ページから順番にお読みいただいてよろしいかと思います。

本書の13章で今後の軽減税率制度の行方等についても触れられています。最近、財務省は「日本型軽減税率制度」なるものを打ち出して話題となりました。今後の議論において、どのような点に注目すべきですか。

実私の感覚としては、これから暮れに向かって、この本に書き込んだことをベースに議論を詰めていくのだろうなと思っていましたら、9月になって日本型軽減税率制度の話がいきなり飛び出しました。
ちょうど発刊を狙ったようなタイミングでしたので、ちょっとびっくりしましたが、日本型軽減税率制度(マイナンバーカードを利用した消費税の還付スキーム)はおそらく実現しないと思います。
軽減税率制度については、平成29年4月1日からの実施を目指し、対象品目の選定やインボイス制度の導入など、本書にまとめてあることをベースに今後の議論が進むものと思われます。

最後に、まだ本書を手にしていない方や、読者の方へお伝えしたいポイントをお願いします。

なんとなく実務はできるものの、どことなく不安を感じている実務家は意外と多いはずです。
常に不安を抱えながら日々の仕事をやっている。
そうすると、日々の実務はできるけれども、何か抜けているような気がする。
そんな方にはぜひ一度、全部読んでほしいですね。
一読していただくと、今まで不安に思っていたところが払拭できるはずですよ。
そういった意味で、消費税に関する基礎知識のさらなる基礎の補充・補完のために利用していただくのがいいのかなと思っています。

著者紹介

税理士 熊王征秀(くまおう まさひで)先生

昭和37年 山梨県出身
昭和59年 昭和59年学校法人大原学園に税理士科物品税法の講師として入社し、在職中に酒税法、消費税法の講座を創設
平成 4年 同校を退職し、会計事務所勤務
平成 6年 税理士登録
平成 9年 独立開業
現  在 東京税理士会会員相談室委員、東京税理士会調査研究部委員、東京地方税理士会税法研究所研究員、日本税務会計学会委員、大原大学院大学准教授
クマオーの基礎からわかる消費税

クマオーの基礎からわかる消費税

判 型
A5判276頁(本文2色)
ISBN
978-4-433-51945-2
定 価
本体2,200円+税

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