非公開会社における少数株主対策の実務
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93COLUMN 4(2)②「譲渡人:個人 譲受人:法人」の低額譲渡 譲渡人については、(1)と異なり、合意した金額が時価と比して「著しく低い価額」、具体的には時価の2分の1未満の価額の場合1には、時価による譲渡があったものとして譲渡所得の収入金額の計算を行う必要があります(所得税法59条1項2号、同施行令169条)。 一方、譲受人は、時価との差額について受贈益として法人税が課せられることとなります(法人税法22条2項)。(3)③「譲渡人:法人 譲受人:個人」の低額譲渡 譲渡人については、法人税法上、時価で譲渡したものとみなして、譲渡損益を計算することとなります(法人税法61条の2第1項1号、法人税法22条2項)。差額については、寄附金又は譲受人の属性により役員賞与等とされます。 一方で、譲受人は、時価との差額について一時所得又は譲受人の属性により給与所得の問題となります。(4)④「譲渡人:法人 譲受人:法人」の低額譲渡 譲渡人については、法人税法上、時価で譲渡したものとみなして、譲渡損益を計算することとなります(法人税法61条の2第1項1号、法人税法22条2項)。差額については、寄附金となります。 一方、譲受人は、受贈益として法人税が課せられることとなります(法人税法22条2項)。税務上の「時価」を実務上どのように考えるか 1.で低額譲渡があった場合の各税法の適用関係について見てきましたが、これは「時価」よりも低い金額であることが前提となります。ここでは実務上、税務上の時価はどのように考えられているのかについて見ていきたいと思います。2.1) 同族会社等の行為計算否認が適用される場合は、2分の1以上の価額であっても時価譲渡とみなされる場合があります。

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