相続税の実務QA
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*******************************************相続税の特徴Q1相続税について関心がありますが、その計算は非常に複雑で容易に理解することは困難であると聞いています。まずは、可能な限り簡単に、わが国の相続税の特徴について説明してください。A相続税の特徴として、一生に1回の課税であること、相続財産等を取得した相続人等に対する課税(遺産取得税体系)であること、超過累進税率による課税であることの3点が挙げられます。解説わが国の現行の相続税の特徴として、下記からに掲げる3点が挙げられます。一生に1回の課税であることわが国の相続税は、人間(自然人)の死亡(注)を課税原因としていることから、通常、同一の自然人の死亡は一生に1回のことであることから、相続税の課税も、原則として、一生に1回の課税となります。(注)民法第31条(失踪の宣告の効力)の規定によって、死亡したものとみなされる場合も含まれます。なお、わが国の相続税法の条文では、相続により財産を取得した一定の個人は相続税の納税義務を有する旨の取扱いが規定されていますが、この『相続』という用語自体の定義は明示されていません。この場合の解釈としては、『借用概念』(注)として、民法第882条(相続開始の原因)に規定第1節相続税1相続税の概要(相続税の計算体系と具体的な相続税額の試算)本項目のポイント相続税の計算体系(計算方法)について理解していただき、あわせて、その基礎となる各個別の『課税価格の計算』、『各人の算出税額の計算』及び『各人の納付・還付税額の計算』について確認してください。相続財産に対して課税される相続税は、諸条件(相続順位、相続人の数及び被相続人の配偶者の有無等)により異なりますが、各ケースごとの相続税額(財産が○億円の場合に、これ位の相続税が必要になる。)の試算について確認してください。266

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