判断に迷う仕訳を起こせる会計術
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24Ⅰ 勘定科目を選択する際の思考方法後者の事例としては、収益勘定(のマイナス)なのか、それとも費用勘定なのか、を迷うケースです。売上高のマイナスか販促費かという話がこれに該当し、最終利益は変わりませんが利益区分に影響を与えます。これについては、本書の5章で取り上げていますので、参考にしてください。こうした両ケースは、「勘定科目として何を選択するか」というよりも、「どういう会計処理が正しいか」という問題として理解するのが適切でしょう。なぜなら、これらは単に決算書上の表示の問題、すなわち「どのような勘定科目名で決算書上(注記も含め)表示するのが良いか」という話に留まらず、利益や利益区分、総資産や純資産といった重要な決算上の指標に影響を与えるからです(注)。この章では、こうした「どういう会計処理が正しいか」という問題に焦点を当てるのではなく、「どのような名称の勘定科目を使用するのが正しいか」という問題に絞って話を進めます。(注)たとえば、営業外項目から営業項目への表示区分(利益区分)を超えた変更は「表示方法の変更」に含まれるため、「表示」の問題とも整理できますが(151頁参照)、ここでは「会計処理」の問題として整理しています。3) 3つの視点結局、重要な決算上の指標に影響を与えないのであれば、つまり「会計処理が正しく行われていれば」、どのような名称の勘定科目を使用しても問題ありません。たとえば、ボールペンなどの文具を購入した場合、「消耗品費勘定」を使っても「備品費勘定」を使っても、ともに費用勘定ですので継続的に使用していれば大きな問題にはならない、ということです(「消耗品費勘定」と「備品勘定」の場合は、費用勘定と資産勘定で違いますので注意しましょう)。しかし、経理担当者が、同じ取引であるにもかかわらず自分の好みで毎回異なる勘定科目を使用したり、経済的実態を把握しづらい勘定科目A 2

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