判断に迷う仕訳を起こせる会計術
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はじめに最近の経理システムはずいぶん使い勝手がよくなりました。近い将来には、AI(人工知能)の登場により経理事務のそのほとんどが自動化されてしまうとある研究機関は発表しています。では、経理事務とはいったい何でしょうか。経理に必要な知識とは何でしょうか。多くの人は経理に必要な知識といえば、簿記の知識を思い浮かべるでしょう。また「簿記を知っていれば、あとは機械的に簿記のルールにしたがって取引を仕訳として起こせば良いだけでしょう?」と考えているのではないでしょうか。当然ながら、簿記の知識だけでは、仕訳は起こせず到底経理実務に対応することはできません。様々な法令・ルールやビジネスを取り巻く事柄を理解しておかなければ、経理の仕事のひとつに過ぎない「取引の記録」≒「仕訳を起こす」ということさえ、満足にできないということもありうるのです。本書は、2014年に出版された「試験に出ない仕訳の本」をベースに新たな視点を加え、実務でもよく話題になる「勘定科目の選択」の考え方についても取り上げました。また、執筆時点では公開草案の段階ではありますが、新しい会計基準である「収益認識に関する会計基準」についても触れています。経理の仕事のひとつである「仕訳を起こす」ということの「大変さ」、すなわち「仕訳は様々な思考や判断の結果、導き出されなければならないものである」ということを、できる限り難しい会計理論の用語を用いず事

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