判断に迷う仕訳を起こせる会計術
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5第1章 試験には出ないが実務には出る仕訳3) 経理実務で重要なことは「判断」することさらに、その必要な情報だけでは、仕訳が起こせない場合があります。それは入手される情報をもとに判断を加えて、はじめて仕訳が起こせるような場合です。たとえば、外部から備品を購入した場合を考えてみます。その備品がどのようなものか、金額はいくらかという情報は入手できましたが、これで仕訳が起こせるでしょうか。通常、備品を購入すると、(借)備品  ×××      (貸)現金預金  ×××という仕訳になります。もし金額が5万円程度のものだったらどうでしょう。(借)備品費  ×××     (貸)現金預金  ××× ※ 金額が10万円未満であるため、資産計上せず、費用処理することが一般的。もし備品が、研究用であった場合はどうでしょう。(借)研究開発費  ×××   (貸)現金預金  ××× ※ 金額が10万円以上であっても、研究開発用の資産は、費用処理されます。このように、同じ備品を購入したとしても、取引によって仕訳が異なってくることがあるのです。4)結局、簿記プラスαの情報や知識が必要ということこのように、「何がいくらで購入されたか」という情報だけでなく、様々な他の情報もあわせて判断した上ではじめて仕訳が起こせるというのが経理実務です。また、上記事例では消費税等(消費税および地方消費税)を考慮していませんが、実務では消費税等を考慮しないで仕訳を起こすことはでき

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