会計と税務の相違・申告調整実務
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 | 1はじめに 企業を取り巻く経済環境が目まぐるしく変化する今日、企業会計の制度や税制は改正等が繰り返され、公認会計士及び税理士といった専門家はもちろんのこと、実務担当者におかれましても日常から相当な知識と能力、そして研鑽が求められています。 会計は、一般に公正妥当と認められる会計基準に従い企業の財政状態及び経営成績を正しく表すことを目的としています。一方、税務は、会計処理の結果をもとに税法の規定に従い、あるべき「所得の金額」を算定し、適正かつ公平な課税の実現を目的としています。このように両者は目的が異なるため、一つの事象について会計と税務でそれぞれの取扱いを的確に捉えることが求められます。 ただ、会計及び税務ともに専門性が高く、多岐に亘る論点があります。そこで、本書は、この多岐に亘る論点について、日常的によくあると思われる基本的な設例をベースに会計と税法の考え方を対比することにより、会計と税務の取扱いの違い等を網羅的に解説し、実務担当者等の知識の整理に役立てることを主眼にしております。つまり、本書は、会計と税務の関係を理解する上で、公認会計士や税理士といった専門家のみならず、企業の実務担当者の“かかりつけ医”のような存在となる本を志向しています。 本書は、大企業から中小企業まで数多くの会計監査、決算書作成支援、税務申告書作成支援等に従事してきた至誠清新グループの経験豊富な公認会計士及び税理士を中心に、これまでの経験と最新の情報を踏まえ、できる限り平易に解説しております。

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