家族信託をもちいた財産の管理・承継
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第1節 高齢者・子供の財産管理107高齢者・子供の 財産管理1 高齢者の将来の不動産処分[1] ニーズ高齢者Aの財産は持家と金銭であるところ、Aは、将来老人ホーム等に入居することになった場合には、持家を売却し、その売却代金を自身の生活費、介護費、医療費等に充てたいと考えている。もっとも、持家の売却時点でAの意思能力が低下していた場合には、かかる売却を行うことが困難となる可能性がある。また、将来Aの意思能力が低下した場合には、Aが持家及び金銭の管理を適切に行うことができない可能性がある。そこで、Aは、あらかじめ持家及び金銭の管理を長男Bに委ね、将来の売却まではAが持家に居住し、Aが将来老人ホーム等に入居することになった場合にはBに持家を売却してもらい、売却代金等をAの生活費、介護費、医療費等に充ててほしいと考えている。なお、Aは、Aが死亡した場合には、Bに管理を委ねた財産が法定相続人に承継されることを希望している。[2] スキームAは、Bを受託者、自らを受益者とし、①持家及び金銭を管理すること、②持家にAを居住させること、③Aが持家に継続して居住することが困難になった場合等には持家を売却すること、ならびに、④持家の売却代金その他の金銭を管理し、Aの生活費、介護費、医療費等に充てることなどを1

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