家族信託をもちいた財産の管理・承継
32/52

第1章 家族信託における法律70家族信託における 税務上の取扱い1 家族信託の基礎となる受益者等課税信託の税務[1] 基本的な考え方(1) 受益者等課税信託の位置づけ集団投資信託、法人課税信託、退職年金等信託、特定公益信託等以外の信託のことを「受益者等課税信託」といい、信託課税の基本的な形態である。家族信託は基本的には受益者等課税信託である[23]。[23] ただし、家族信託といえども、受益者等課税信託ではなく、法人課税信託として扱われるケースもあり得、この場合、当事者の予期しない課税が発生する可能性がある。(2) 受益者等受益者等課税信託では、「受益者としての権利を現に有する者」と「受益者とみなされるもの(以下「みなし受益者」という)」が、当該信託の信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなし、かつ、当該信託財産に帰せられる収益及び費用は当該受益者の収益及び費用とみなして、法人税法、所得税法を適用するとされている。① 受益者としての権利を現に有する者 「受益者として権利を現に有している者」とは、信託行為において受益者とされている者のうち、受益者としての権利を現に有しているものをいう(法法12条1項、所法13条1項)。② みなし受益者3

元のページ  ../index.html#32

このブックを見る