国外財産の移転・管理と税務マネジメント
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一方で、所得税及び相続税の課税強化の政策は、世界各国間での外資誘致政策競争を背景とする法人税制の緩和政策とセットとなっており、この傾向はしばらく続くことが想定されます。このような課税強化の下で、国外財産をどのように動かし、かついかに管理したらよいかというのは、富裕層にとっての最大の関心事となっています。    日本に居住する個人が財産を所有する形態に着目すると、個人が財産を直接所有する形態と、個人が財産を法人に所有させて、株式として財産を間接的に所有する2つの形態があります。特に富裕層の場合、海外投資について、個人で投資する場合と法人により投資をする場合で、課税関係にどのような違いがあるのかの基本的なポイントをおさえておくことは不可欠です。この点については、第2章で課税の基本を示し、第3章で財産・所有形態別に税務マネジメント上の要点を解説しています。また近年、AI(人工知能)、Fin Tech(AIを使った新たな金融サービス)、ロボット産業、宇宙産業等、国際的な人的ネットワークを駆使する21世紀型ビジネス産業が開花しております。富裕層の子息も海外留学をされている傾向があるため、事業承継のありかたについても日本国内にとどまらず、日本国外を視野に入れた上で簡単にふれております。第4章で、国外財産に対する税務調査事例、非公開株式を用いた租税回避行為に対する税務調査事例(失敗事例)等を紹介し、納税者の国外財産の管理の重要性を示しております。最後に、本書の機会を与えて下さった清文社の小泉定裕社長、編集部大久保彩音氏、依田文実氏に衷心より感謝の意を申し上げます。平成29年10月税理士 佐藤臣夫税理士 清水鏡雄

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