負動産スパイラル
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1建物を建てられない土地がある再建築不可という言葉をご存じでしょうか。この再建築不可とは、読んで字のごとく、今の建物を壊した後に再び新しく建築することが不可能な土地のことを指します。幅員4メートル以上の建築基準法上の道路に間口2メートル以上(共同住宅の場合は3メートル以上)接していなくてはならないという基準を満たさない土地のことです。具体的には、道路から横幅が1メートルくらいの狭い通路を抜けて奥まったところにある家等が再建築不可の物件となります。再建築不可の物件が投資物件として売買される場合は、普通の物件よりも高利回りになることが多いです。なぜなら再建築不可の物件を買える人が少ないからです。ほとんどの金融機関は再建築不可の物件に対して、融資を行わないため、現金一括で購入する余裕のある人しか買えないのです。買える人が少なければ需要と供給のバランスは供給過多となり、結果として価格が下落する(すなわち高利回りとなる)のです。この再建築不可の物件ですが、都心の昔ながらのエリアに多数存在します。江戸時代から続く狭い路地の裏側にある家や戦後、ひしめき合って建てた路地の家々は、その後制定された建築基準法で求められる基準を満たさず今日に残っているからです。2その物件に出口プランはあるのかそして、都心のエリアに存在する再建築不可の物件は、一見すると好立地、高利回りに見えることがあります。都心や駅に近い好立地の物件であれば、再建築ができないだけで、現状ある建物を活用し高利回りを稼ぐことができるところに魅力を感じる投資家もいます。しかし、高利回りに目がくらんで再建築不可の物件に手を出すのは愚の骨頂です。というのも再建築不可の物件は将来といわず、すでに現時点でも負動産だからです。681これが負動産だ!!

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