負動産スパイラル
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うに見えるのですが実は、賃貸経営の視点から見ると問題があるのです。2経営視点からの問題①そもそも低利回りすぎる相続税対策であっても、賃貸物件を所有するということは賃貸経営を行うということです。そのため、相続対策として購入する区分所有も常に経営視点から眺める必要があります。都心部区分所有の最大の問題点は、利回りが低すぎることに集約されます。いい換えると、購入金額が高すぎるということです。東京の港区等人気エリアには数多くの高価格マンションが建ち並んでいます(高級マンションではなく、普通の造りのマンションですが高価格なので、ここでは高価格マンションと表記しました)。この高価格マンションは最低でも3,000万円以上し、表面利回りは3~6%しかないというものが大半です。この3,000万円のマンションは、地方からすると驚きの金額ですが、家賃が月々15万円ほどで貸し出せるとしても表面利回りはたったの6%です。しかも月々の家賃から、管理費修繕積立金等で3万円ほど天引きされますので、実際の収入は12万円となり、利回りは4.8%となります。なお、フルローンで利回りが4.8%というのは家賃収入だけでは、月々のローン支払がまかなえないレベルの利回りです。もともと希少性の高い地域ですし、デベロッパーや不動産業者の利益がたっぷり乗っているので、エンドユーザーはこのような低利回りの物件しか手に入らないのです。投資物件はあくまで利回りで考えるのが大前提ですから、現状の利回りが低すぎる区分マンションがお勧めできることはまずありません。もちろん、東京の港区や中央区等の区分マンションを今の市価の半分や三分の一の価格で買えるならよいかもしれませんが、それも現実的な話ではありません。第3章事例でわかる今ある資産を負動産化させない方法65

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