土地評価の重点解説
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188 設例54 の場合で、貸宅地はどのように評価するのでしょうか。解説自用地の価額から借地権価額を控除して評価します。   (自用地としての価額)  (借地権の価額) (借地権割合)   64,538,880円 -38,723,328円=64,538,880円×(1-  0.6  )=25,815,552円次のA地はレストランである建物の所有を目的として賃貸借契約により甲に貸し付けています。貸している土地は、建物敷地とこれと一体となった駐車場として利用されていますが、面積的には駐車場部分の方が大きくなっています。B地はゴルフ練習場として乙に貸し付けています。土地の一部には事務所が建てられていますが、賃貸借契約では利用目的はゴルフ練習場としての土地利用で、建物はこれに附属する最小限かつ簡易なものに限定しています。上記のような状況で貸し付けている土地(貸地)を評価する場合、土地全体に借地権が及んでいる貸地として評価することができるでしょうか。解説借地権の及ぶ範囲は建物敷地部分に限定されるものではなく、権利金や地代の算定根拠、土地賃貸借の目的等の契約内容などから判定する必要があります。    A地の場合には、その賃貸借の主たる目的が建物の所有のためであると認められ、駐車場は建物の種類から必要不可欠なものと思われますので、一般的には土地全体に借地権が及んでいる貸地として評価することになると考えられます。ただし、建物の敷地部分と駐車場部分とが不特定多数の者の通行の用に供されている道路等により物理的に分断されている場合には、それぞれの土地ごとに権利内容を別個に判定します。一方B地の場合には、その賃貸借の主たる目的はゴルフ練習場としての土地利用であり、建物の所有は従たるものにすぎないと認められますので土地全体を賃借権の目的となっている土地として評価することになります。借地権の目的となっている貸宅地の評価方法設例55借地権の及ぶ範囲設例56レストラン駐  車  場ゴ ル フ 練 習 場事務所A地B地

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