中小企業のための組織再編・資本等取引の会計と税務
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38第3章 組織再編税制 このような場合には、当該個人が保有する株式のほか、「特殊の関係のある個人」が保有する株式を合算して、完全支配関係か否かを判断することとされている(法令4の2)。そして、「特殊の関係のある個人」には、以下のものが挙げられる(法令4①)。イ 株主等の親族ロ 株主等と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者ハ 株主等の使用人(法人の使用人ではなく、個人株主の使用人)ニ イ~ハに掲げる者以外の者で株主等から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているものホ ロ~ニに掲げる者と生計を一にするこれらの親族※ 親族とは、六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族が含まれる(民法725)。 そのため、上図のケースでは、X氏が保有する株式と、X氏と特殊の関係のあるY氏の保有する株式とを合算すると、一方の法人と他方の法人の発行済株式のすべてが、同一の者によって保有されていることから、完全支配関係が成立していると考えられる。 さらに、前述のように直接保有割合だけでなく、間接保有割合を含めて判定を行うため、X氏が発行済株式のすべてを保有している法人が、 【親族が保有している場合】X氏Y氏(長男)100%100%一方の法人他方の法人

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