QA法人税〔微妙・複雑・難解〕事例の税務処理判断
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▶Q1~Q395326使い込みと損害賠償金の収入計上時期当社は同族会社ですが、前社長の退任を機に、前社長が愛人を作って手当を支給するために、取引先の社長と結託して仕入金額を水増しし、水増した分を社長の銀行口座に振り込ませていたことが判明しました。そこで取締役会で、前社長への損害賠償金を請求することにしました。この場合、前社長への損害賠償金を当期の収益として計上しなければなりませんか。収益に計上しなければなりません。*          *確かに前社長が仕入金額を水増しして水増し分を個人口座へ入金させて費消していたとすると、前社長の使い込みと考えられます。税務調査において発覚すれば、水増し分の仕入金額の否認と前社長への定期同額以外の給与として処分されるものと考えられます。今回のような法人サイドでの前社長に対してする損害賠償金の請求は、役員としての背任横領という不法行為が原因ですので損害賠償請求をすることは当然と考えられますが、同時に、貴社は当該背任横領に伴う特別損を計上することになりますので、その仕訳は、  特別損失 ×××円 / 仕入過大 ×××円  未収入金 ×××円 / 損害賠償金収入 ×××円になると考えられます。 損害賠償金収入については、法人税基本通達2―1―43(損害賠償金等の帰属の時期)において「他の者から支払を受ける損害賠償金の額は、その支払を受けるべきことが確定した日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるが、法人がその損害賠償金の額について…」とされています。これは

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