建設業の経理№79
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★今回のテーマ法律相談が多い,瑕疵が存在した場合の元請業者と下請け業者との間の過失割合の認定方法について知り,実務に役立てましょう。1▲瑕疵が発生した場合の法的対応多くの建設会社から法律相談として寄せられるのが,今回のテーマである元請業者と下請業者との間の過失割合についての法的見解です。瑕疵についてのエンドユーザー等とのトラブル解決は,元請業者の責任にて行うのが通常です。このトラブル解決にあたっては,スピーディーな初期対応を果たすことが極めて重要であり,下請業者からの責任の自認や損害賠償を受けてからエンドユーザー対応をするというのでは,対応が遅延し,トラブルが益々大きくなるリスクがありますので,まずは,下請業者との協議よりも前に元請業者はエンドユーザーとのトラブル解決を先行させるケースが多いと思われます。エンドユーザーとのトラブル解決後に,下請業者の施工に瑕疵が存在した場合,元請業者は,下請業者に対し,補修費用相当額の損害賠償請求を行うこととなります(民法634条2項)。これに対して,元請業者において,下請業者の施工に関与していたり,誤った指示をしていたり,下請業者に対する指示・指導等の対応が求められていたにもかかわらず同対応法務トラブルを防ぐ!現場の法務④元請業者と下請業者との間の過失割合匠総合法律事務所弁護士秋野卓生42建設業の経理Summer2017

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